Lass uns an die Tür klopfen?

とある教会音楽家の徒然日記

Lass uns an die Tür klopfen!

その扉をたたいてみよう!
ドイツ・ザクセン州の街ヴルツェンに住む教会音楽家の日々を綴っています
扉をたたく?
教会音楽ってなぁに?

豚肉…

イブでかなり体力を奪われたから今日25日は休んでやる!とは言ってられないのが悲しいところ。
26日の奏楽のためにトラムで20分ほど離れた教会へ。
改修工事の関係で事前練習ができなかったので練習はこの日の一時間のみ。クリスマスなので弾く讃美歌はほとんど24日と同じなのはありがたい…。
日本ではイブが恋人同士(?)で盛大になってますが、ドイツでは25日26日が家族と過ごす祝日です。
ちなみに聖歌「きよしこのよる」はイエス様が生まれたこの夜である24日にしか歌えません。
日本だとクリスマスの定番曲なので、この習慣を聞いた時はビックリしました。
さてさすが祝日。全然トラムがつながらず、途中から仕方なく自転車で濡れ鼠。
さらには教会がなかなか開かず、吹きっさらしで待ちぼうけ。
クリスマスに鈍色の空。
生とは何か、しばし考えさせられました。

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 こちらの教会は木造建築が印象的。

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そしてオルガンはこちら。 

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メンデルスゾーンが実際に弾いていたというオルガンです。
メンデルスゾーンオルガン、といえばこれ!ですが、実はもう一つ名前があります。
その名も、豚肉オルガン。
メンデルスゾーン、というのは、彼が愛用したオルガンだから。
豚肉…オルガン製作者の名前を日本語に訳すと豚肉なんです。
シュヴァイネフライシュ氏…なんとも素敵な苗字、ドイツ人にも、変な名前よねぇ、といじられております。
そんな彼の作った楽器、鍵盤は象牙!
触り心地、弾き心地はとてもいいのですが、冬は氷のように冷たい。 

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ここもご多聞に漏れず、吐く息が白い…。
冬の演奏会は確実に拷問です。
どのパイプも音の性格、輪郭がはっきりしていて、なおかつ調和、共鳴がとても自然で豊か。
この楽器あってこそのメンデルスゾーンのオルガン作品と言っても過言ではない、彼の作品に対するイメージが瞬時につかめる楽器です。
前の師匠から、メンデルスゾーンは大学を卒業してから自分でやりなさい、と言われているため、彼の作品はあまり弾いていないけれど、いやいやどうして、この豚肉オルガンのイメージがあればいろんな意味で読譜しやすくなります。
こうして様々な楽器に巡り合えること、本当にありがたいことです。

26日の奏楽は10時から。
途中でヒーターがつかなくなり(また⁈)体力が奪われ、赤ちゃんのギャン泣きによりかき消される典礼のタイミングに集中力を必要とされ、終わった時には生まれたての小鹿よろしくフラフラ。
やはり課題は心技体の充実。これ以外にない…。
2017年の目標、決まりました。