Lass uns an die Tür klopfen?

とある教会音楽家の徒然日記

Lass uns an die Tür klopfen!

その扉をたたいてみよう!
ドイツ・ザクセン州の街ヴルツェンに住む教会音楽家の日々を綴っています
扉をたたく?
教会音楽ってなぁに?

持久走大会

11月に入ってひと息つけるかと思いきや、さらに怒涛の礼拝続きで休みゼロ、やっと休みになったところで完全なる荷下ろし症候群。

書きたいことは後日少しずつ書くとして、とりあえず今日の出来事から。

今日はタウハの奏楽はお休みして、ニコライ教会での日曜礼拝と夕方のドイツレクイエム演奏会に行ってきました。
バッハ合唱団の礼拝前の練習は朝8時半から。
今日は冷え込みも厳しくまあ辛い。
朝から声なんて出ない、とよく聞きますが、聖歌隊にそんな言葉は通用しません(笑)
曲はブルックナーのOs justiとChristus factus estにブラームスのWarum...とドイツレクイエムのWie lieblich...。
家庭の事情で朝来られない仲間もいるのですが、各パート10人以上は必ず揃います。ただし、ソプラノを除く(笑)
ソプラノはなかなか揃わず8人で頑張って歌うしかない。
なかなかハードな中を助け合って無事終了。

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午後はオーケストラとの合わせ。
何が大変って、教会はとにかく隙間風と床からの冷気が寒い!
そして祭壇に山台を組んでいるので立つ場所が狭くてまったく動けない。
足は冷えるし吊りそうになるし、なかなかハードなんです。
マフラーやジャケットを着たままで3時間半立ちっぱなしで歌う。
しかも今回はテンポがす~ごくゆっくりなので、体力の消耗が半端ない。
ゲネプロが終わった時点で皆ぐったり。まさに持久走大会。
立ち方や姿勢、室温などの外的な要素は声帯のコンディションに直結してしまうので、せめて感覚がなくなってしまうほどの足の冷えをなんとかしたいのですが、難しいものです。
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17時からの本番はなかなかいい演奏会になりました。

みんな最初から全開で歌うので、曲が進むにつれてバタバタと脱落しかかりますが、そんなときは助け合いでカバー。
もちろんオーケストラにも助けられます。
特に最近は音大で一緒だった子がエキストラとして乗っているのがとても嬉しい。
今回はまさかまさか、コントラバスの教授も乗っていたんです。
彼とはバッハのカンタータの通奏低音で何度かご一緒して、本当に様々なことを教えていただいたのですが、今回もいろんな場面で歌いながらとても助けられました。
教会の残響は非常に長く、立ち位置によってはタイムラグが激しいため、ベースがどっしり安定していると迷子にならずに歌えるのです。
しかも低予算にするために重厚なロマン派作品だってコントラバスはたいてい2人。
なので、芯のある音でガンガン弾いてくれるベーシストがいると、私は内心小躍りしています(笑)
指揮者は実際に音を出せないから、音で道案内をしてくれるオケプレーヤーの存在は本当に大事。
そういうことを知ることができたのも、いろんな合唱団で歌ってこれたから。
一つ一つの出会いと経験を自分の血肉に変えていきたいなと改めて思いつつ、完走を祝し、今日はビールで喉をいたわろう(笑)