Lass uns an die Tür klopfen?

とある教会音楽家の徒然日記

Lass uns an die Tür klopfen!

その扉をたたいてみよう!
ドイツ・ザクセン州の街ヴルツェンに住む教会音楽家の日々を綴っています
扉をたたく?
教会音楽ってなぁに?

はじめましてブダペスト

先週の後半は仲間オケで10年以上お世話になっている小林研一郎先生の演奏会を聴きに初めてブダペストに行ってきました。
久しぶりのドイツ語圏外、ラテン系、スラブ系の言葉なら今までかじった言語の知識でなんとなくわかるものの、日本語のように他の言語からは独立しているというマジャール語。
せめて発音と文字だけでも結び付けておくべきだった!とブダペスト空港に到着して早々にへこみましたが、ありがたいことに意外とドイツ語が通じる!
私のハンガリー世界史知識といえば、オーストリア=ハンガリー二重帝国とハンガリー動乱だけ…お粗末…。
でもたしかに二重帝国の片割れはドイツ語圏。通じるのも納得。
東ヨーロッパ独特の雰囲気はあるものの、帝国の気品のような、国の持つ歴史の奥深さを感じさせる街並み。
その中にドイツにもあるドラッグストアや日曜大工用品店やブランドの看板を見て、妙に親近感と違和感を覚えました(笑)

この時期にしては例年にないくらいの暑さだったらしく、連日30度近く、日差しギラギラ空気カラカラ。早速喉と鼻がやられました…。

おとなしく聞いて楽しんでればいい、という演奏自体が非常に久しぶりで、初日のMAVオーケストラ演奏会、そして翌日からの国立ハンガリーフィルの練習を特等席で堪能させていただきました。

到着日の夜はさっそくルスランとリュドミラ序曲、ラフマニノフのピアノ協奏曲(金子三勇士さん)とR=コルサコフのシェヘラザード。

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リスト音楽院のホールは見た目美しいだけではなく、すべての材質が調和したようにまろやかで染み渡るような響き。
演奏によって使い込まれ響きが豊かになったであろう、とても贅沢なホール。
オケの演奏で床が地響きを起こすなんてあまり記憶になかったので思わずビックリ。オルガンが鳴ったら相当すごいことになりそうな予感(笑)
今回初めて聞いた金子さん。友人からイチオシだから!と聞いていたけれど、まぁ素晴らしい。
まったくよどみがなく、全ての流れが自然で調和がとれているから、旋律にまわってもオケの伴奏にまわっても様々な表情が見えて全く飽きない。
こんなに心穏やかにラフマニノフを聞けるなんて想像してませんでした。
まだ20代?信じられない…この先どうなっちゃうんでしょう?
ちなみにこの日のアンコールのせいで(おかげで?)後日の私の予定は大幅修正されました(笑)

そしてシェヘラザード。大学オケでやった、思い出の詰まった曲。
と思いきや、吹いたはずのホルンの譜面は記憶のかなたに飛んでおりました(笑)曲はもちろん覚えていますけど。
夏に演奏の機会をいただいたのでそのパートを気にしていました。
○○は目立ち過ぎて怖いな~やだな~…練習しようがないし…。
翌日、まるで計算したかのように届いた事務局からのメールには「楽器は○○でお願いします」と書いてあり、思わず吹き出す…。筋トレしなきゃ…。
「炎のコバケン」の名の通り、この日も熱い熱い熱演で、オケも燃え上がり、お客様の熱もすさまじく。
ホールの視覚効果も絶大で、この音の渦の中、オルガン席に船長よろしく立ったら気持ちいいだろうなぁ。

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ちなみにこの日の演奏会はラジオで生中継され、放送後も聞けるようになっています。ぜひ聞いてみてください。

https://www.mediaklikk.hu/radio-lejatszo-bartok/?date=2018-05-03_19-05-00&enddate=2018-05-03_21-20-00&ch=mr3

初日からこの上なく贅沢な時間を過ごした私。
当然ながら、帰りたくない病発症(笑)

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