Lass uns an die Tür klopfen?

とある教会音楽家の徒然日記

Lass uns an die Tür klopfen!

その扉をたたいてみよう!
ドイツ・ザクセン州の街ヴルツェンに住む教会音楽家の日々を綴っています
扉をたたく?
教会音楽ってなぁに?

6と7

タウハのイースター礼拝は、日曜朝6時と9時半の2回。
朝6時の礼拝は、今年は牧師不在のため教会員が主体となって執り行いました。
事前の会議では、教会のブラスバンドが入るので私のやることはほぼなく、最後の賛美歌を弾く程度、という話だったので、朝早いとはいえ問題ないと思い、前日のカトリック教会を引き受けたわけですが、番狂わせというのは突然襲ってくるんですね。

いつもは牧師が歌うイースター賛歌、歌ってくれる?

5日前に急きょ頼まれた賛歌はグレゴリオ聖歌の時代から伝わるこの日にしか歌われないもの。歌詞と旋律だけ書かれた楽譜、A4にして4枚分。
大学で習うとはいえ、プロテスタント系教会では普段あまり歌わないグレゴリオ聖歌。五線譜で書いてあってもやっぱり見にくい。
長いイースターのお話を歌い聞かせるわけですが、普段でもなかなかに難しい。
それを一睡もせずに歌うというのは、なかなかに厳しい…。

仕事だからやらなければならないのですが、相当悩んだのが時間配分。
カトリック教会での仕事が終わって夜1時、帰宅して寝たら絶対にタウハにたどり着かないので、タウハに直行しオルガンの準備も完璧にし、礼拝10分前までは仮眠しよう、というのが当初のプラン。
しかし、朝6時に歌うとなった今、寝ることは不可能。
早朝から声帯を酷使するなら数時間前から起きて準備が必要。
身体が起きて体温が保たれていないと声は出ない。
つまり、タウハに行っても寝られない…。
一人になったら寝てしまうのは確実。
こうなったら起きてる手段は一つ。
カトリックの仲間と一緒に過ごして起き続けよう(笑)

朝の礼拝には40人もの子供が祭壇前に輪になって座り、蝋燭の光の中、イースター賛歌、そして出エジプト記の朗読を聞きます。
子供たちの親も家族そろって来るので、会衆は100人以上。
1月以降の礼拝は集会室で行っていたため、教会に人がたくさん集まるのは本当に久しぶり。

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蝋燭の光はやはり幻想的。
信者による手作りの礼拝なので、本当にアットホームで、続く集会室での朝食も超満員。
礼拝の片づけをして遅れていったら、案の定立つ場所もなく、キッチンに駆け込んで朝食準備をしてくれた人たちと朝ごはん。
かなり濃いコーヒーで頭を覚醒させてもう一仕事。

9時半からは聖歌隊と教会の有志バンドが音楽を担当。
大きな礼拝では大きな前奏曲を弾こう、と就職当初は考えておりましたが、バンドやブラスバンドがいる場合は彼らがいろいろと用意しているので、オルガン曲は今のところ全てお蔵入り(笑)
バンドはジャズやファンク、そして聖歌隊は伝統的な賛美歌の合唱からバンドと合同で歌うなど、礼拝で使う音楽は色とりどり。
陽の光が差し込む中、にぎやかな礼拝となりました。

すべての片づけも終わって帰路についたのは午前11時半。
すでに28時間起きているし、帰ったらシャワー、からの爆睡!と思いきや、覚醒しすぎて眠れない(笑)
人間の身体って不思議だな~、と新しい自分を発見した気分でした。

普段ならイースターの月曜日も礼拝があるのですが、牧師さんがいないので無し。火曜日の朝にタウハ中の保育園の合同礼拝まではお仕事もお休み。
こうして2018年のイースター任務は完了。
自分の教会だけならこんな大変なことにはなりません(笑)
結局4つの教会のイベントに関わったわけですから、自分でも無謀なプラン立てたな、とは思います。
でも、年に一度の大切な日に自分を必要としてくれる人達がいるなら、やっぱりその声には応えたい。
無謀なのはわかってる、でもやらないでムリとは言いたくない。
今まで経験してきたたくさんの思いもよらない幸せな出来事や出会いは、自分で限界を決めなかったから経験できたこと。
自分で線引きをせず限界を超えた先に、また新しい何かが待ってる。
この発見の連続が楽しいから、これからも感謝をもって走っていきたいと思います。

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新しいイースターろうそく🕯

礼拝で灯される大きなろうそくは、イースターに新調されます。