Lass uns an die Tür klopfen?

とある教会音楽家の徒然日記

Lass uns an die Tür klopfen!

その扉をたたいてみよう!
ドイツ・ザクセン州の街ヴルツェンに住む教会音楽家の日々を綴っています
扉をたたく?
教会音楽ってなぁに?

ドイツ鉄道物語 5 ~郷に入っては郷に従え~

夜中1時に放り出されたライプツィガー(本来はライプツィヒに住んでる市民のことですが、旅行者みんなの連帯感があったのでこう呼びます)、一斉に始まる二つの質問。
・あなたはどこに住んでいるか?
・次の電車はいつくるか?

どこに住んでいるか、というのは、タクシー相乗りで行こうと声を掛け合っているのですが、一口にライプツィヒと言えど300平方キロメートルくらいある街なので、方面は様々。なかなかまとまらない。
そうこうしているうちにロータリーにいたなけなしのタクシーは全部出払い、とうとう電車一択に。

次の電車はいつ来るか?
ライプツィヒ行きは3時30分まで来ない…。
あと2時間。
コンビニはないし、待合室もない、近くに飲み屋もない。
手元にはお酒以前に飲み物ももうない状況であと2時間…。
おなかも空いたし、凍死だけはしたくないな~と思いはするものの、もうお手上げ状態で思考が鈍る。
周りの人がたまたま一緒に下車した車掌さんに詰め寄るも、情報はなく。
15分くらい経ったころ、やっとアナウンス。
50分後に来るフランクフルト行のICがライプツィヒ経由なので、それに乗ってください。

経由が書いてなかったからわからなかったけど、その手があったか。
しかしあと50分、座ったら寝る。黙ってるのもキツイ。携帯で音楽を聴いてたらアナウンス逃しそうで怖いし…。
こういう時に役に立つのが時差!
ドイツが夜中の1時なら、日本は朝を迎えている。
普段は時差が邪魔でほとんど電話をしないけれど、こういう時は逆にありがたい。
LINEで反応があった母に電話。
朝起きて一番に、ドイツの交通にやられてる娘のLINE実況を読む母も大変だと思うが、月曜の朝にいきなり長電話されるのはもっと大変だろう。
はっきり言って迷惑だ。
しかし、そうは言ってられない(笑)
人と話してると時間は早く過ぎるし、やっぱり母国語の、そして家族との会話の安心感は格別。
50分はさっさと過ぎ、無事に電車に乗り込み、それでも話続ける。
あったかいところで気を抜いたらフランクフルトまでグースカ行ってしまいますから(笑)
2時15分、とうとうライプツィヒ中央駅到着。
終電終バスはとっくに終わっているので、旧市街を15分ひたすら歩いて帰宅。石畳も凍るマイナス10度、滑って時間がかかる…。
とりあえず、無事に帰れたことに感謝。

今回の件でびっくりしたのは、自分の心の変化。
驚きはすれど、怒りは湧かなかったのです。
不安というよりも、さてどうしようか、という考えの方が強かった。
ドイツに暮らして8年。
これが、郷に入っては郷に従えということなのか、5年間の一人暮らしでいろいろなことを乗り越えてきた結果なのか。
とりあえず、自分はいろんな意味で成長してるのだな、としみじみ思ったのでした。

あ、ドイツで電車の旅をしてみたい方に、一つ大事なことを。
今回の騒動で、私が聞いた変更情報のアナウンス。
駅員もテンパってるせいか、ほとんどドイツ語のみでした。
英語はあっても周りの騒音にかき消されている。
もし何かあったときは、すぐに周りのドイツ人に英語で訊ねることをお勧めします。
え~、どうしよう?を言っている暇は、ありません。
郷に入っては郷に従え、です。

長い鉄道物語もこれでおしまい。お付き合い、ありがとうございました。