Lass uns an die Tür klopfen?

とある教会音楽家の徒然日記

Lass uns an die Tür klopfen!

その扉をたたいてみよう!
ドイツ・ザクセン州の街ヴルツェンに住む教会音楽家の日々を綴っています
扉をたたく?
教会音楽ってなぁに?

受難曲の季節

一時春めいた陽気になったライプツィヒですが、今週は冬に逆戻り。
せっかく咲いたクロッカスも霜で凍ってしまったり、本格的な春はまだ先のようです。
教会暦では現在は四旬節。
復活祭前日の土曜日から46日間遡った水曜日(灰の水曜日)までをこう呼びます。
この時期に多く演奏されるのが、受難曲。
新約聖書にある4つの福音書から、イエス・キリストの人生の最後の時間を書き記した部分をもとに、さまざまな作曲家が音楽を書きました。
最も有名なのはやはりJ.S.Bachのマタイ受難曲とヨハネ受難曲。
楽譜が完全な形で残っていないマルコ受難曲も、ドイツでは手を加えて上演しています。
今週末、私も所属しているニコライ教会の合唱団でマタイ受難曲を歌います。
ニコライ教会は、かつてバッハがカントールとしてトーマス教会聖歌隊と仕事をしていた教会ですが、東西ドイツの統一運動の発端となった平和集会を行っている教会としても有名です。
ヨハネ受難曲の初演の地はニコライ教会。
去年は初演290周年ということでヨハネ受難曲を歌い、今年はマタイ受難曲。
バッハが実際に仕事をしていた教会で歌うことは、なんとも不思議な感覚、というより、自分自身の恵まれたこの状況にただただ驚くばかり。
この不思議なめぐり合わせに感謝し、無心で歌いたいと思います。

J.S. Bach: Matthäuspassion
追記

先日の練習中にTV取材が入りました。
私もチラリと映ってます。

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