Lass uns an die Tür klopfen?

とある教会音楽家の徒然日記

Lass uns an die Tür klopfen!

その扉をたたいてみよう!
ドイツ・ザクセン州の街ヴルツェンに住む教会音楽家の日々を綴っています
扉をたたく?
教会音楽ってなぁに?

30年目を前にして

10月9日はライプツィヒにとってとても大切な日。
ドイツ統一記念日は1990年10月3日で現在祝日になっていますが、この統一への大きなきっかけと言われるのが、この一年前の1989年10月9日にニコライ教会で行われた”平和の祈り”という集会。
信者や市民の祈りと行動から、国家の行方を左右する平和的な革命へと発展させることができた、というのはライプツィヒ市民の誇り。
それ以来、あの時の勇気と行動に思いを馳せ、そしてまたこれからの平和について考える日となっています。
そのニコライ教会での”平和の祈り”、毎年授業や仕事に阻まれていたのですが、今年は内側から参加することができました。
バッハ合唱団で数曲歌う、ということだったのですが、ピアニストが足らないとのことで急遽アンサンブルにも混ぜていただき、祭壇のど真ん中から会衆の皆さんとご対面。
3階席まで超満員の圧巻の眺め。
あの時代を生き抜いてきたであろう人生の先輩方だけでなく、警察官、家族づれ、学生や子供、赤ちゃんと様々な年齢層。

今でこそ文化的で開放的な大学都市ライプツィヒ。
2度の大戦は敗戦、そこに続く旧東時代は他国との戦争ではないとはいえ不自由で閉塞的な生活、時に理不尽な暴力まであった。
89年のデモでは7万人近くがろうそくを持って行進。
今年もたくさんの市民がろうそくを手に広場に集まった。
あれからもうすぐ30年、世界情勢の変化によりドイツ国内の政治の流れもまた変わり始めているけれど、この街の人たちは本当に心から平和を祈り、平和について考えている。
歴史の曲がり角にライプツィヒあり。
次の曲がり角でも大きな役割を果たすのは我々市民だ、という意志が強く印象に残る日でした。

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