Lass uns an die Tür klopfen?

とある教会音楽家の徒然日記

Lass uns an die Tür klopfen!

その扉をたたいてみよう!
ドイツ・ザクセン州の街ヴルツェンに住む教会音楽家の日々を綴っています
扉をたたく?
教会音楽ってなぁに?

教会の塔を攻略せよ! その2

塔の二階にあたる場所には、塔の顔ともいえる時計のからくりがあります。
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たくさんの歯車と鎖、おもり、振り子が組み合わさって、時を告げる仕組みになっています。

教会から聞こえる鐘には二つの音色があり、1つは15分刻み、もう1つは時報になっており、からくりの端にある2つのアームが、上の階にある鐘につながっています。

15分刻み?どうやって?と思われるかもしれませんが、聞き分け方はいたってシンプルです。
1回ゴーン…15分
2回ゴーンゴーン…30分
3回ゴーンゴーンゴーン…45分
4回ゴーンゴーンゴーンゴーン…60分
そして60分の後に、時報が鳴り始めます。
これで塔が見えなくても、お家に時計がなくても時間がわかるのです。

さて、塔の時計はよく狂います。週に2分くらいずれるのはかわいいもの。
振り子の分銅の位置が狂うと1日で5分遅れなんてザラ。
鎖のオイル量が変わるだけでも進み具合は変わるし、冬もマイナス10度近くになると金属が寒さで縮むため、どんどん早くなりました。


Uhrwerk

奥で揺れている振り子と連動する歯車。
一つおかしくなると全部狂いだします。
歯車が狂う、とはまさにこれ。

 

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早く進んだ分には、振り子を止めて正しい時間に再開すればいいのですが、問題は遅れた場合。
上の写真の左側の歯車を回して調整するのですが、大きな時計の長針短針と直結しており、その重さはダイレクトにここにかかっています。
つまり、針の位置によっては非情に重い…。

手前に見える金属の羽板は、巻き戻りのスピードを空気抵抗で調節するためについているのだそうです。
ここで空気抵抗を利用する、原始的というか、先人の知恵にただただ恐れ入りました、という思いがします。

それでは、6時をお知らせいただきましょう。 


Glocke