Lass uns an die Tür klopfen?

とある教会音楽家の徒然日記

Lass uns an die Tür klopfen!

その扉をたたいてみよう!
ライプツィヒに住む教会音楽家の日々を綴っています
扉をたたく?
教会音楽ってなぁに?
ライプツィヒ、どんな街?

いちめんのなのはな

木曜日はイエスキリストの昇天祭、朝10時からSehlisで祝日礼拝がありました。
うちの教区の1番奥にある、バスが日に数本しか通らない村Sehlisは人口約100人、特に馬の飼育が盛んで、家畜の数は人口を上回るとか回らないとか(笑)
最寄駅からは5キロ。若干のアップダウンはありますが、自転車でのんびりサイクリングしてればあっという間に到着。
ここの教会は、東西統一後に信者が一丸となって修復したかわいい建物で、数年前にやっと鐘が取り付けられて完成しました。
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小さい堂内には一段鍵盤のオルガン。
堂内は響きがよく音もまとまるし、会衆の歌声と息遣いがタウハよりはっきり聞こえるのでとても弾きやすい。

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会衆が歌いにくいのは、歌詞が多いせい?テンポが合わないから?メロディを知らないから?
弾きながらどんどん修正を加えて本当に歌いやすくなると、会衆の声が倍になって聞こえたりすることもあったり…。嬉しい瞬間です。

この日の牧師さんは、タウハの先々代の牧師さん、定年で引退して10年近いので、70代後半?
信者さんも久しぶりに牧師さんに会えるので、参列者も多く、にぎやかな礼拝となりました。

無事に礼拝も終わり、やれやれ、帰るかな、と思いきや。
・薫!自転車で来たでしょ?もちろん一緒に行くわよね?
・今日Sehlisに来たなら一緒に行かなきゃだめよ!!
待って待って、どこへ…?
一番重要な情報が欠けてる…

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毎年昇天祭の日は、教会からみんなで近くの湖にサイクリングするのが暗黙の恒例だそうで、先ほどの牧師さんも軽装に着替えいざ出発。

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地図もなく、自分の現在地なんてまったくわからないままひたすら皆と一緒に走ること1時間。
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湖到着。そしてお昼。
まずは喉を潤す薬草リキュールの一気飲み(笑)
そして持ってきたシャンパンでみんなで乾杯。
どうしてここまで?!ってくらい万端に準備してくる皆さま。
しかし、完全に予定外の行動の私はもちろんお弁当なんて持ってない。
こういうイベントの場合、皆で持ってきたものを分け合って食べるので、持ってない人はひたすら恩恵に預かり、次のチャンスに分ける側にまわる、という素敵な図式がありまして、私もサラダやサンドイッチをいただきました。
ピクニックは最高です!

食後は思い思いに過ごし、雲行きが怪しくなったので移動開始。

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森の中、

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そして菜の花畑。
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本当に美しい。
途中途中に休憩をはさみながら、景色を眺め、またリキュールを飲み。完全なる飲酒運転(笑)
景色を眺めていると、牧師さんがこの菜の花畑の歴史を教えてくれました。
旧東ドイツ時代、共産的な生産体制が強まるにつれて、どの土地で誰が何を作るか、ということを強制的に割り当てられた。
一人では到底作業できないような広大な土地でただひたすら命令されたものをきちんと作らなければいけない。
菜の花は菜種油を取るために、このころに大量に生産されたのだそう。

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戦争のあと、ただでさえ農業従事者が不足しているところに、政府のやり方を嫌った生産者たちが西へと逃げ、生産者は激減。
それでも残った人たちはひたすら畑を耕した。
89年の壁崩壊に始まり、東西が統一されたことで、職を求めて西へと移住する人が増え、多くの土地はほったらかしに。
西ドイツはもちろん経済的に豊かですが、農地、という観点からいうと土地が狭いので大型の耕運機などは入れられず効率が悪いというデメリットがある。
そこから考えると東ドイツの土地は広大で機械はいくらでも入れられるので作業しやすく生産効率もいいはず。
それでも離れた人たちはもう戻ってこない。
毎年菜の花は芽を出し、花を咲かせ、種を落とす。
今見える菜の花は、手入れされなくなった土地の、あの時代の名残なのだそう。

東西統一からもうすぐ30年。
経済格差は無くなってきたというけれど、東ドイツはいまだに多くの問題を抱えている。
外からふと見ただけの”いちめんのなのはな”に隠された歴史とこの村の、そして教会の置かれた現状に、多くのことを考えさせられる。
そして、歴史の荒波を乗り越え、この地域を愛し、一歩ずつ住みよい土地にしてきたSehlisのみんなの仲のよさと笑顔にとても癒されたことは間違いなく…。

11キロの行軍のあとはみんなでお庭でお茶会、そしてそのうちバーベキューへとなだれ込み(笑)
天気の崩れが心配で私はお茶会でお暇しましたが(帰りの5キロも自転車です)こんなにスポーティーな休日はドイツに来て初めて!
これでドイツっ子みたいに基礎体力が上がることを密かに祈った結果、現在手指の先から足の裏まで絶賛筋肉痛。
筋肉のツナギというか鎧を着てるような、妙な感覚(笑)
先日の合唱合宿で感じた体力の差を埋めるには、まだまだ修行が足らぬようで…。

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