Lass uns an die Tür klopfen?

とある教会音楽家の徒然日記

Lass uns an die Tür klopfen!

その扉をたたいてみよう!
ライプツィヒに住む教会音楽家の日々を綴っています
扉をたたく?
教会音楽ってなぁに?
ライプツィヒ、どんな街?

2-3-4

人の助けなしにはこなせなかった2018年の聖金曜日。

もともと予定していたのは、朝10時のニコライ教会の礼拝で歌うことと、イエス様が息を引き取った時間にあたる15時のカトリック教会での礼拝の合唱指揮でした。

朝10時に歌うのはバッハ合唱団。
朝の礼拝ではラインベルガーの作品、夕方はバッハのヨハネ受難曲と相変わらずタフなプログラムですが、この時期は出られないメンバーが毎年多いのです。
2週間前、ラインベルガーのために久しぶりに練習に行った時、思わず目が点に。

産休育休が多く、とにかく圧倒的にソプラノが少ない…。

歌ってて違和感を感じるほどのアンバランスに唖然としていたら、仲間からヨハネも出てくれ、の声が。
時間だけで考えると、まずゲネプロは欠席、トラムが間に合えば…開始5分前になんとか行ける?
そもそもカトリックの礼拝が1時間で終わらなければ完全にアウト。
カトリックのアンサンブルは気心知れた仲間とはいえ、やっぱり失礼よね、と思いつつ聞いてみたところ、

歌い終わったら礼拝最後まで残らず移動していいよ
ってか、ヨハネ自分たちも聞きたいし!
車飛ばせば間に合うから一緒に行こう!チケット二枚よろしく!

あっさり決定…(笑)

バッハ合唱団の指揮者、ニコライカントールからもぶっつけ本番のOKをもらい、三件ハシゴとなりました。

始動は朝9時の礼拝前練習@ニコライ教会。
朝は声出ないとか言いますが、そんなの聖歌隊には通用しない。
出ないんじゃない、出すんです(笑)
寒かろうが眠かろうが歌うのが聖歌隊のつとめ。
朝はさらにメンバーが減り、伴奏で使うオルガンはザクセン州最大規模の楽器。
どう響いているのか…謎ですが、教会堂が助けてくれてるのは確か。この響き、残響はやはりドイツの教会ならではだと、1月の川崎で思いました。

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礼拝後は各々お昼休憩。
13時のゲネプロは30分だけ参加。
何度も歌ってはいても、やはりヨハネ受難曲ぶっつけ本番は怖い。
言葉さばき、音楽共に難関の多いヨハネ、指揮者のテンポ設定はかなりのメリハリ、ましてや自分のパートだけ少人数というのは冷や汗タラタラ。
せめて響きだけでも聞いておきたくて…。

お花見よろしく、場所取りは聞く方も歌う方も大切です。

私は勝手にドタバタやってますが、この日はイエス様の亡くなった日。
礼拝は厳かです。
午後のカトリック礼拝ではオルガンなどの楽器は使わず、歌のみ。
アンサンブルとしては8曲、その他会衆が7曲、ろうそくも飾りもない、声と静寂のみの時間。
読まれる聖書の箇所はヨハネ伝の受難の場面。
これから受難曲で歌う歌詞を文章として聞くと、音楽が脳内再生し始め、一層リアルに情景が浮かびます。

全ての合唱を終えて、すぐに出発。
近道をぶっ飛ばしてくれたおかげで15分前に到着!ありがたいけど、怖かった(笑)
急いでエネルギーを補給して、頭を切り替えて。

本番は本当に必死だったのしか覚えてません。
第2部の畳み掛けるフーガ、煽ってくる他のパートにかき消されないように、振り落とされないように、パートでスクラムを組んでの闘い。
全員フルパワーで歌っても、残響でうまく混ざるので御構いなし。
いつも不思議なんですが、教会が一緒に歌ってくれてるように感じます。
ヨハネ受難曲の初演の地であるニコライ教会。
大先生が手助けしてくれてるんでしょうか…?

今回のエヴァンゲリストは関西からいらした畑儀文さん。
ドラマを緩急つけて丁寧に語られていました。
エヴァンゲリストをドイツでやるとか、本当に尊敬します。
私は声種が違うのでハナから無理ですが、やはりネイティブの前でソロ、しかも語りに近い歌というのは…心技体なければできないように感じます。

終演後はやっぱりビール!
さんざん歌ったあとの喉にはビールが一番!
畑さんや日本から聞きにいらした方々、カントール一家といろんな話で盛り上がり、帰宅は深夜(笑)
でもここで一旦リセットが大切なんです。ホントに。

しかし、本当に今年は皆に助けてもらい、許してもらい、仲間のありがたみを感じる聖金曜日でした。
来年は、どうなるんでしょう…?

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礼拝では写真撮れないので、こちらの写真をば。
教会でのお仕事は普段はラフな格好でやっているのですが、演奏会はやっぱり黒、そして聖金曜日やお葬式はスカーフ、マフラーの類まで真っ黒。
これでサングラスかけたらただのマフィア…。
黒づくめで街中を歩くとやっぱり異様みたいで、よく振り返られました(笑)

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