Lass uns an die Tür klopfen?

とある教会音楽家の徒然日記

Lass uns an die Tür klopfen!

その扉をたたいてみよう!
ドイツ・ザクセン州の街ヴルツェンに住む教会音楽家の日々を綴っています
扉をたたく?
教会音楽ってなぁに?

ここからスタート

先週土曜日はBeuchaのBergkircheでのオルガンコンサートでした。
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実はこの演奏会、初めてづくし。
1時間という長さでソロのみというのも初めて、そして、お仕事として謝礼をいただくソロ演奏会も初めてでした。
1000年ちかくの歴史を持つ教会にある歴史的なオルガンは、一番古い部分は200年以上前のもの。

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とても温かくやわらかい響きが本当に素晴らしい。
椅子の高さが高め、譜面台がとても近いので2段目の鍵盤はのぞき込まないと見えないので、お客様曰く、私の見た目は結構すごいことになってたそうです(笑)
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長い歴史の中、特に旧東ドイツの時代は宗教そのものが非常に厳しい立場に置かれていたため、オルガンはおろか、教会堂が壊れても誰も修繕できませんでした。
堂内の装飾、美術品、オルガンのパイプも盗まれたとか。
東西統一後の20数年で、住民が一丸となって修繕し、オルガンも復活させた、というのは、旧東ドイツではよくある話なのです。

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今はご覧のとおりの美しさ。
今後は昔の礼拝室の天井画をオリジナルのまま保存したいのだとか。

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演奏会や礼拝での寄付金で一歩ずつ進めていくそうです。

さて、演奏会。
本番3分前になっても謝礼の領収とサイン、著作権申請のため楽譜の出版社情報について聞かれるなど、全然集中させてくれないのはもはや教会あるある(笑)

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それでも今やれる演奏ができたというのは進歩だと思います。
お客様からもたくさんの温かいコメントをいただきました。
上の作ってくださったポスター、8月の演奏会の情報をそのままコピペしてしまったらしく、ブラームスもヒンデミットも弾いてませんが、ご愛敬ってことで(笑)
でもこの版画、すごく素敵ですよね。


本格的にオルガンを始めてから6年。
10年前の私が今日のことを知ったらさぞビックリするでしょうね。
遅くから始めたことでいろいろ思い悩むこともありましたが、ここからがスタート。
自分がこの先どんな形でオルガンを続けるのかはわからないけれど、今ある目の前の道を一歩ずつ、積み重ね歩いていきたいと思います。
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もし今何かを始めることに迷っている方がいらっしゃるなら私はこう言いたいです。
いい歳して、とか、今からじゃ遅い、とか、前例がない、とか関係ない。

とりあえず、やったもん勝ち。
あなたの決断が誰のものでもない、あなたの明日になる。